「10年いてもやり尽くした感はまったくない」新しいチャンスが次々に生まれる組織の秘密とは?

Vol.07

「10年いてもやり尽くした感はまったくない」新しいチャンスが次々に生まれる組織の秘密とは?

PwCコンサルティング合同会社

シニアマネージャー阿部 大祐氏

シニアマネージャー中内 聡子氏

公開日:2013.03.14

インタビュアー 入江・永田

コンサルティングとディールアドバイザリーを提供する国内最大規模のコンサルティングファームであるプライスウォーターハウスクーパース。そこではどんな人物が活躍し、どんなキャリアを形成する機会があるのだろうか。今回はコンサルティング部門のシニアマネージャー2人にご登場いただき、入社の経緯や業務内容、成長の機会などをテーマに語ってもらった。

Message

多様なバックグラウンドを持つ中途入社者が活躍する自由な社風

入江
最初にお二人のこれまでのキャリアについて教えて下さい。
阿部
私は前職もコンサルティングファームで、その会社には新卒で入社しました。システム開発寄りの傾向が強い会社で、メインフレームのプログラミングからはじまって、だんだん業務・システム要件定義や基本構想といった上流工程を経験するようになり、前職での最後のほうはERPのコンサルタントとして活動するようになりました。そして2004年にプライスウォーターハウスクーパース株式会社の前身であるベリングポイント株式会社に転職しました。実は転職前、一緒にERP関連の導入案件にサブコンとして入ったことがあり、中でどんな仕事をしているかはイメージできている状態でした。入社当時は、ERP導入案件が多かったのですが、最近はそこから派生して管理会計や組織再編の案件を手がけています。
中内
私はもともと総合商社の出身で、新卒での入社当初より海外投資案件の担当としてM&Aやファイナンシャル・リストラクチャリング業務に従事していました。しかし97年のアジア通貨危機の影響を受け大きな配置転換があったことをきっかけに、将来のキャリア設計を考え直すこととなりました。海外投資案件の担当時代、外資系投資銀行や監査法人、弁護士などプロフェッショナルスキルを持ったカウンターパートから刺激を受け、自分もそうした環境に身を置きたいと考え会計系のコンサルティングファームに転職しました。そこでERPの導入に従事した後、2003年にベリングポイントに入社しました。入社当時はERPと管理会計を専門としていましたが、プロジェクト経験を重ねる中でリスク管理やプロジェクトマネジメントの方にキャリアの幅を広げていき、現在は組織再編のプロジェクトマネジメントを中心に持株会社や地域統括会社設立に伴う新組織設計、ガバナンス体制の再構築などを担当しています。
入江
御社に転職する決め手は何でしたか。
阿部
転職前もERP案件に従事していて、もう少しこの仕事をやっていきたいとの思いを持っていました。しかし前職ではERP案件があまり大規模なプロジェクトにはならず、会社の方向性としてもERPビジネスは縮小傾向だったので、一緒にプロジェクトを行った経験のある当社に転職することに決めました。
中内
私は前職のファームが新卒採用を中心にしている会社で、中途入社の人間がキャリアの王道に乗って行くには少しハードルが高いと感じたのが再度の転職を考えるきっかけでした。当社を選んだのは、面接官から「経験を積みビジネスマンとして成熟した中途入社の人材が活躍する場にしたい」というメッセージを聞き、この会社なら多様なバックグラウンドを持つ同僚と一緒に自分も成長しながら仕事ができるだろうと思ったからです。
入江
プライスウォーターハウスクーパースはどんなカルチャーや風土を持ったファームだとお感じになっていますか。また、入社前のイメージとのギャップはありますか。
阿部
社長の椎名は同じフロアで働いており、いまだにプロジェクトに出入りするなど非常に現場に近いところにいます。そんな風にとても風通しがよく、実際、社長やパートナーに対しても言いたいことは何でも言え、自由な社風の会社だと思います。ギャップについては入社前に一緒に仕事をしていたことがあるのであまりないですが、当時のマネージングディレクター(現在のパートナークラス)にとても若い人がいて、前職の会社とは大きく違うなとびっくりしたことがあります。
中内
自由というのはその通りですね。年次にかかわらず「私はこの分野に興味があり、専門にしたい」と望むキャリアを主張することが許される会社です。もちろんその自由は自律性とセットのもので、自己研鑽のないものにはリターンもないことはハッキリしています。イメージのギャップといいますか、入社前と比べて予想以上だったのは、サービス領域が非常に幅広い点です。会計士資格の保有者が会計基準を踏まえた専門サービスを提供していたり、サプライチェーンやCRMもERPという切り口だけではなく戦略や業務改革といった切り口でコンサルティングをしていたり。前職ではERPの部隊が大きく会計系ファームはそういうものだと思い込んでいましたが、当社では幅広くクライアントのニーズに応えていく体制ができており、とても印象的だったことを今でも覚えています。

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異なるサービス領域がオーバーラップする仕事と人事

永田
今、お二人のおっしゃった「自由」とは、やりたいプロジェクトへのアサイン希望が通りやすいことも意味しているのですか。
中内
努力しかつそれを周囲に伝えていれば、ですね。若手では「未経験だけど戦略や組織を大きく変える仕事をしたい」「プランニングフェーズから参画したい」と希望する人も多いかと思います。当社の場合、未経験でもよいのですが、自己学習や過去のプロジェクトを通じてポテンシャルを高めているか、「任せられてもできる」裏付けを持っているかどうかはシビアに見られます。
永田
自分が今、所属しているチーム以外のプロジェクトにも行くことはできるのですか。
中内
はい。当社にはリソースマネジメントのチームがあり、そこに人材リクエストが各プロジェクトマネージャーから上がってくるようになっています。一方、それに対し各チームはプロジェクトに就いていない人、これからプロジェクトが終わって空く予定の人をレコメンドしていき、面談をして合うということになれば他チームのプロジェクトにも採用されます。
阿部
ちょうど今朝も、アサインミーティングに参加してきたところです。このミーティングは毎週開催され、上がってきたリソースリクエストと空いている人のリストを突き合わせ、さらに本人の希望やスキルを踏まえて「来月から彼にはこのプロジェクトに行ってもらおう」とマッチングを行っています。
永田
PwCアドバイザリーとプライスウォーターハウスクーパース コンサルタントが2010年に経営統合して誕生した御社はコンサルティング部門とディールアドバイザリー部門に分かれていますが、その壁はお感じになりますか。
阿部
アサインミーティングでは、私の属しているコンサルティング部門にもディールアドバイザリー部門のリソースリクエストが入ってきます。ディールアドバイザリー部門は比較的短期間のプロジェクトが多く、コンサルティング部門のメンバーでも空いていればすぐにアサインされます。
中内
プロジェクトのライフサイクルを考えると、概略でいえばM&Aを成立させるところまではディールアドバイザリーの領域で、その後の組織やチャネル・拠点統合、ガバナンス体制の再構築、業務・ITの統合といった実現化段階はコンサルティングの領域になります。現在は会社の方針として二つの領域間をオーバーラップし一気通貫して一緒にやっていくことを推進しています。

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納得できる人事評価のために議論を尽くす

永田
コンサルティングファームを志望される方のなかには評価体系を気にする方もいらっしゃるのですが、どのような仕組みになっていますか。
阿部
まずプロジェクトマネージャーが各メンバーの評価を行います。以前はプロジェクトマネージャー一人の考えで評価をつけていて、同じパフォーマンスでも評価が甘いまたは厳しいマネージャーといて不公平感がありました。最近はある程度以上の規模のプロジェクトであれば複数のマネージャーがいるので、プロジェクト内部で評価ミーティングを開催して、できるだけ皆が納得できるような評価を行う文化がきちんと浸透してきました。
中内
カリブレーションのステップがプロジェクト内、チーム内、さらに全社という形で行われているので、特定のチームやパートナーの下で評価が異なるといったことは起きにくくなっています。コンサルタントに求める要件も、仕事の姿勢、専門スキル、クライアントや同僚とのコミュニケーション、リーダーシップといった項目が設定され、タイトルごとにマトリックスで整理されています。ですので「なんとなく頑張っている」というような抽象的な評価をするのではなく、「君が優れているのはこの項目で、課題はこの項目」と評価者・被評価者相互に共通した評価軸をもって具体的なフィードバックを行える制度になっています。
永田
人事評価を行うマネージャー以上の方はかなり大変ですね。
阿部
評価を徹底して行うようになった当初は本当に大変でした。最近はきちんと回るようになってきて、しかも皆が納得できる評価を共有できるようになったと思います。
中内
コンサルティングファームは人が商品です。やはりアソシエイト、シニアアソシエイトが現場の売りです。したがって彼ら彼女らが「自分の頑張りはきちんと評価してもらえる」と思って仕事ができるようにしないとプロジェクトは続きませんし、クライアントから評価を得られず結果的に会社の根幹も揺らぎかねません。「ダメなところはダメと指摘するけれど、やったことはちゃんと見ていますよ」とわかってもらうことが本当に大事です。
入江
お二人とも9年、10年と一つのファームにお勤めです。コンサルティング業界としては長期間で、その背景にはPwCならではの魅力があると思うのですが、それは何ですか。
阿部
特定の専門領域だけでなくいろいろなことができるチャンスの多い会社なので、バランスよく自分のスキルを広げたり深めたりできるのが一つの魅力です。それはアソシエイトだけでなく、マネージャー以上になっても同じです。たとえばアサインミーティングには当然、マネージャーのリクエストも来ます。通常、その分野の未経験者をマネージャーに起用するのはかなりハードルが高いですが、当社では本人の能力を考慮し任せることもあります。
中内
時には「えっ、私がこれを!?」という驚きのアサインもあります。実際に私自身、ERPから組織再編へのキャリアシフトを経て、社内に確実にチャンスが存在すると身をもって体験しています。この先もグローバル領域などへのチャレンジを目指しており、できるかどうかは自分次第ですが、また新しいチャンスを見いだせるだろうという可能性が感じられる会社だと思っています。
入江
お話をおうかがいしていると、内部にたくさんの機会がある会社という印象を受けました。これから、5年、10年先のキャリアをどのように描いていますか。
阿部
この会社の中で自分のやれる領域を広げていきたいと思っています。今後はグローバルの案件にも関わっていきたいですし、部門横断のプロジェクトの経験もまだ少ないので、それらの領域をさらに広げていきたいと考えています。
中内
PwCは世界158カ国にネットワークがありますが、その中でビジネスコンサルタントとして伍していけるプロフェッショナルでありたいというのが今後5年間の目標です。私は10年間当社にいますが、この組織は生き物で変化し続けていますし、昇進の都度視野も広がりますので、やり尽くした感はまだ全くないです。「この会社でやりたいことはもうないな」と思うまでは、当社でのキャリアを楽しみたいと思います。

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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